高等教育ジャーナル(第32号)に論文が掲載されました

2025/04/08

PFFResearch Presentation

高等教育ジャーナル―高等教育と生涯学習―(第32号)に研究論文「理工系分野の大学院生を対象とする大学教員準備講座―他大学の教職員へのアンケート調査分析を中心に―」が掲載されました。

  • 加藤 由香里・門松 怜史・浅山 拓哉・畠山 久・山下 幸彦・室田 真男(2025).理工系分野の大学院生を対象とする大学教員準備講座―他大学の教職員へのアンケート調査分析を中心に― 高等教育ジャーナル―高等教育と生涯学習―,(32),47-57.
    https://doi.org/10.14943/J.HighEdu.32.47

概要

この研究は、理工系大学の大学院生を対象とした「将来の教員養成(PFF)プログラム」の設計および実施に関する知見を収集することを目的とするものである。日本の国公私立大学20校の教職員を対象に、PFFプログラムにおける参加者の範囲、実施形式、プログラム内容、評価方法について調査を実施した。

その結果、主要な国立大学においては、PFFプログラムが大学院教育の正規科目として位置付けられており、ティーチング・アシスタント(TA)研修と連携しながら大学全体で実施されていることが明らかとなった。PFFプログラムの構成は、教育実践に不可欠な授業設計に関する内容に重点が置かれている。

本研究では、これらの結果を踏まえ、プログラム内容の選定や、PFF研修の枠組みにおいて初年次の理工系科目の一部を担当可能な高度なティーチング・アシスタントを育成するための教育実習の実施について論じるものである。また、PFFプログラムの継続的な運営において直面する課題も明らかとなった。特に、大学内での認知度の向上、安定的な参加者数の確保、およびPFFを運営するためのスタッフの確保が重要な課題として挙げられる。